読書感想文「小さくても勝てる - 「砂丘の国」のポジティブ戦略」平井 伸治 (著)

 ダジャレとは,何か。
 オッさんが垂れるダジャレとは,ただただ,前頭葉の制御が困難になり,ポロポロと思いついたものをこぼすものか。違う。場の空気を読み,間隙を縫って,ここぞの場面をキメに行く,そんなダジャレもある。
 コロナ禍でさらに名を売った知事の一人である鳥取県・平井知事の著作である。平井知事のダジャレとは,爪痕を残すための道具である。圧倒的にマイナーな立場であるものの,世間に「鳥取あり」と示さなくはならない立場である。なのでPRには腐心している。マイナーな県の知名度を上げるために摩滅するほどの努力をしている。ダジャレもその一つだ。
 マスコミからコメントを求められる。気の利いた短いフレーズを炎上を恐れることなく放つ。少しでも印象に残るよう,決して聞き流されてしまわぬようPRする。
 「丁寧な説明」が求められる時代である。だが,長々と話した結果,ストンと落ちたか?結果を出すことにこだわる知事は,カネが無いなら,知恵を絞れ,頭を使えといい,今日もダジャレを駆使している。