読書感想文「自意識とコメディの日々」オークラ (著)

 「東京コント」ストーリーである。もしくは,バナナマン東京03とともに時代を作ってきた男のパックヤード譚である。
 それにしても貴重なキーワードが飛び出す。「お笑い自意識」。笑いを生み出す目線とその目線を持つ自分の立ち位置を一言で表した言葉だ。そして「おぎやはぎの精神革命」。社風や組織の人間関係や職場風土なんて,ある一人のひとが変えてしまうものなんだな,と思わせる。その原動力は「素直さ」だったりするから,人間関係,人間社会はわからないものだし,面白い。
 実は,オークラも自分の思うこと,やりたいこと,すごいと思うこと,興味関心を周りに語り,気になる人にはアタックし,勧められた人に会っている。その点では,とても「素直」で熱心な人だ。ただただ,好きなお笑いのライブのカタチのために,そうして来たわけだけど,前向きさや直(ひた)向きさを僕らは汲み取るべきだろう。
 オークラと会って話しをしたいことがある。ダウンタウンの名作漫才「クイズ」で松本が「水曜,どうでしょう?チクタクチクタク」。浜田「何や,それ」(笑い)となるのは,あの大泉洋を生んだ「水曜どうでしょう?」より前のはずなんだが,どうだろうね?と。あー,聞くなら佐久間Pか。