「おしゃれは大事よ」その2 旧・Column Kazuhiro 2000

 このコラムで,「おしゃれは大事よ」と題して書いたことがあった。今回は続編である。
 朝,遅めに家を出て,ペダルを踏む足にいつもより多めに力が必要になっている時に,目に留まる娘がいる。やや小顔であるが,取り立てて美人というわけではない。すれ違うその娘のおしゃれが,朝,小気味いいのである。最近だと,印象的なのは,パステルトーンのネッカチーフと傘だった。そして,何より,ツンとした表情が「おしゃれしてるのよ!」と主張しているようで,小気味よい。落下していく時間に自分を合わせるようにスピードをあげる通勤時で,アイキャッチとなる彼女の存在が清涼となっている。ハッとさせること,それは彼女が街の空気を動かしていることに他ならない。こういう人が沢山いるところは,やはり,ステキだし,すなわち「おしゃれが街をつく」ってることに他ならない。
 生き方,暮らし方の表現,もしくはスタイルの最もベーシックなものである衣服によって,人間性の発露たっぷりな街で私は暮らしたい。こう思うと同時に,私は今,お気に入りのテレビ番組や雑誌の連載を見つけた気分に近い。
EXTENDED BODY: