鼻っ柱が強く、声が大きい益川名誉教授と、冗舌ではないが時に鋭い指摘を放つ小林名誉教授。対照的な2人だったが、研究に関してはウマが合っていた。九後教授が益川名誉教授にマンツーマンで修士論文の指導を受けている最中、部屋に小林名誉教授が入ってきて、いつのまにか2人が議論をすることが度々あった。
研究室の黒板はみるみるうちに2人が書いた計算式で埋めつくされた。九後教授は「とても楽しそうで、まるで子供みたいに夢中でした」と振り返る。
二人の間で科学が踊る風景というのは,本当にステキなことですよ。おそらく日本の理系の人たちの多くは,この経験をしていると思うけど。