「へぇー,まだ雑誌を読むんだ」と言われたことがある。


 デザインを専攻する大学教授と話していた際,雑誌の記事を話題にしたことがある。そのとき「へぇー,内田君って,まだ雑誌を読むんだ」と言われ,驚いた。続けて,「雑誌を読むなんて,若い証拠だよ」と言われたことにも。
 彼は,もう雑誌は読まないらしい。雑誌をめくることへの興味関心が低下してしまっているというのだ。なるほど,決して雑誌自体が,エモーショナルな存在ではなくなったというわけではないらしい。年齢とともに,雑誌ワールドに入り込んでのワクワク感が得られなくなったということなのだろう。
 私は相変わらず,雑誌が大好きだ。散髪の際の「Mono Magazine」や地元雑誌は不可欠だし,待ち時間が異常に長い耳鼻咽喉科(服鼻腔炎の治療に随分と通ったのだ)では,週刊新潮,週間文春のオッサン雑誌と「日経トレンディ」。定期的に通う歯医者での「Number」。どれも楽しみだ。しかも,すぐに,それぞれの雑誌ワールドに入り込んで行ってしまう。これは10代の頃から変わらない。
 さすがに,気分や趣味趣向で買い続ける雑誌は変わる。それでも,雑誌好きは変わらない。気に入った雑誌があると,そのバックナンバーを書店で手に入れようとするし,ヤフオクで定価の5割増,いや,送料を入れると倍の値段で手に入れた雑誌もある。
 雑誌への異常愛かもしれないが,この媒体が好きだし,中々捨てられないので,本当に困る。特に中学生の頃から買い続けた「NAVI」は,自分自身の人格形成に大きく影響を受けたと思うし,それ故に,積み上げた雑誌の処分を検討したこともあったが,そのとき,自分自身の何かが欠けてしまうようで本当に恐ろしくなって止めた。
 以下,この一ヶ月に買った雑誌。ページをめくりながら,あっちの世界に行っている。