社内日誌の書き方


 いわゆるビジネスブログというものは,公開・社内日誌(業務日報)ではないかと思う。その社内で起こることへの理解が,その会社のサービスや製造物への愛着や信頼につながっていく,そのための記述の連続なのだろうと思う。
 「リアル」におけるビジネスブログのあり方は,どう成立するのだろう?と考える中で社内日誌(業務日報)ではなかろうかと思いいたった。では,そもそも社内日誌(業務日報)とはなんぞや?と日経文庫「報告書の書き方」を古本屋で入手したり,データベースの活用本のテンプレートでふむふむと思ったりした。
 そういや,山口瞳は次のように書いている。

 社内日誌では,山田一郎氏を訪問したときは,「山田一郎氏訪」と短く書き,要件も簡単明瞭に書く。話の首尾を書かなくてはいけない。山田一郎氏が会社を訪ねてきたときは「山田一郎氏来」と書く。もっぱら簡潔であったほうがいい。
 上司に意見を具申するときは,自分の考えを書き,その下に赤線を引いておく。これは必ず読んでいただきたいという意味である。


p.40 「続 礼儀作法入門」 山口瞳


書きようが無いという日もある。そんな日については,

 私は,しかし,会社員というのは,年がら年中仕事をしなくてもいいと思っている。会社で,ボンヤリして一日を過ごしていてもいいと思う。私は,出版社や宣伝会社にいたとき,若い社員がボンヤリしていると,評判になっている映画や展覧会を見に行きなさい,と言った。あるいは,デパートの売り場を歩いてみろ,と言った。そういうときの社内日誌は,日本橋高島屋を歩く,だけでいいと思う。感想があればそれを書く。


p.41 「続 礼儀作法入門」 山口瞳


が参考になるのではないか。
 今,こんなの無理っすよー,と聞こえてきそうだ。なんか,昭和の臭いがするとも言われそうだし。
 でも,こうしたスタイルの会社できちんと社内日誌を公開してみると,案外,そのビジネスブログとその会社は,きちんと評価されるのではないだろうか。統制と管理とコスト意識が共感や共鳴を生むわけでもないだろう。公開・社内日誌で「年がら年中仕事をしなくてもいい」を前提に書き進めていると,会社もナチュラルに変わったりするのかも知れない。



続・礼儀作法入門 (新潮文庫)

続・礼儀作法入門 (新潮文庫)

報告書の書き方 (日経文庫)

報告書の書き方 (日経文庫)

ファイルメーカーPro社内文書さくさくマニュアル

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