んでもかんでも,石油のせいにしてばっかりかよ


 クマケンって,評価してたんだけどね。

??アメリカ型の郊外住宅はどうなのでしょうか。

隈 まさにアングロサクソンの住み方の延長です。ただ、アメリカの郊外住宅が本当に土地と密着した、自然と一体になった住居かどうか、というあたりが、アメリカ文明の最大の問題点だと僕自身も思っています。養老先生がご著書で、石油というものがアメリカ文明の基本にあって、それが20世紀をアメリカの時代にした、つまり諸悪の根源が石油にある、という話をされていますが、僕もすごく同感です。

 石油を僕の言葉で翻訳すると「アメリカ型郊外住宅」というものになるんです。アメリカ型郊外住宅は、要するに、石油で走る車で郊外と都市を行ったり来たりできるというシステムです。都市からどんどんと郊外に広がっていけば、自分たちの理想の土地、理想の生活が手に入るという、アメリカ中に広がったドリーム、というか錯覚を、石油が可能にしたんです。あの芝生の上の真っ白なアメリカの郊外は、実は真っ黒な石油と一体だったんですよね。


石油が支えた「郊外一戸建て」のアメリカンドリーム:NBonline(日経ビジネス オンライン)


あのさー,ダメじゃん。アメリカの郊外住宅が日本に比べて環境維持のためにどれほどの開発規制を受けて指導を受けるのか,それはもともとの土地の形状,起伏の改変に及ぶことくらい,クマケンは知ってるだろうよ。


 養老孟司に引きずられるのは構わないけど,郊外と都市=石油,って乱暴過ぎだよ。郊外と都市を最初に結んだのは電車汽車だろ。アメリカ型は違うって?芝生と白壁住宅を嫌悪するのは勝手だけど,モータリゼーションが嫌だ,と言うならまだしも,「アメリカ型郊外住宅」にくっつけちゃうのは,そんでもってアメリカ文明なるものにくっつけちゃうのはねぇ。
 20世紀が石油を始めとするエネルギー多消費型の産業の発展により,それまでと大きく異なる社会を築いたわけだが,石油が,いや,ガソリンがすべての地域開発の思想であったわけではない。緑豊かな環境の戸立て住宅,という平凡だが温かな夢を叶えるべく発達した郊外だ。
 そうした郊外住宅での生活を支える手段としての自家用車だが,それを歩いていける範囲での利便施設と公共交通の整備が進めば,一斉に手放すことだって十分に考えうる。
 石油は全てを決めないよ。