風呂フタでわかる e-コマースの現状とIT化社会


 風呂フタを買おうと思ったわけですよ。以前から気になっていたのでね。シャワーだけでもいいんだけど,ザブンとたまには入りたいわけで。すると,沸かし直しをするときには,風呂フタがないと浴室がもうもうと湯気だらけ,水滴だらけになっちゃってカビのもとにもなるので,風呂フタは必須。ところが,デフォルトの風呂フタは「シャッター式」のもので,使わない時はクルクルを丸めるのだけど,これが結構邪魔になる。
 何か別のいい方法が無いだろうか,と思いググると,最近,「折りたたみ式」ととてもコンパクトにまとまる商品が出ている。いくつかのメーカーで同タイプのものがあるらしいのだが,よく聞くメーカーのもので丁度のサイズのものを見つけた。


【幅70cmタイプ!】折りたたみ式風呂フタ OF-7008・7009・7010・7011・7012・7014 パールホワイト/イエロー・シルバー−アイリスプラザ


値段も当初,ユニットバスメーカーから買うこと想定していた予算と比べるとずいぶんと安くなりそうだ。よし!注文,と思ったのだが,


在庫なし
販売は未定です。


の表示。あちゃー,ダメか。
 ダメもとで,メーカーと型番が分かっているので,この地域最大手のホームセンターに電話してみる。すると,「それですね,色が一種類のパールホワイト/イエローになるんですけど,同じ大きさのもので,いま,型番のアルファベットが一文字追加になりまして,値段がですね,¥3,780-になります。入荷は次の週末になります」とのこと。はい,注文します。現在,入荷の電話を待つ身だ。
 買えるんじゃん。しかも,ネット通販より安いんじゃん。ネットの型番,古いんじゃん。ホームセンターの店員さんが手元にあるカタログ(恐らく)で調べるほうが早いんじゃん。なんじゃ,こりゃである。
 e-コマースって,なんじゃらほいと思う。余り物を処分するもんなのかい,とすら思う。どうも,製造現場や販売現場がネットを信用していない,ネットは「ついで」のものという感性が抜け出ていないのではないか。目の前のリアルの客も,画面の向こうの客にも同じ情報を同じタイミングで届けようという意志がないのではないだろうか。もう少し言おう,リアルの現場において商品情報が随時把握できるような商品管理のIT化が実はできていないものだから,リアルとネットで同じ情報が扱えないのではないか。
 日本の流通業の高コスト体質が指摘されて久しい。誰でもそこにアクセスすれさえすれば,等しく購入できるのが市場であるわけだが,卸・問屋経由の顔なじみルートではおいしい情報が手に入るよう関係の社会があいも変わらず続いているのか,と思うと淋しくなる。
 それでも,ネットで商品情報だけでも調べることができただけでも感謝しようか。