次世代に継承する責務


 昨晩,職場の歓送迎会があり,人事異動に伴って私どもの職場を離れる方,新たに職場のメンバーとなられる方との宴席となった。私は,このどちらでもなく職場に残る側としての参加だったのだが,以下の言葉が記憶にあった。

就職、結婚、祝賀会などお祝い事も多いでしょう、忘れずに「乾杯は日本酒で」お願いします。

祝い事の出欠葉書には、おめでとうございます、出席しますの他に「おいしい日本酒が飲みたい」「乾杯は日本酒でお願いします」など一筆啓上お願いします。
祝儀や会費を持参するのですから飲み放題ではなく旨き酒飲みたいです。

主催者さま、幹事さまも予算は大事ですがおもてなしの心で純米酒など旨き酒(720ml)をテーブルに2本お願いします、お客さまは興味深く飲み比べが楽しめます。
みなさまの一言「旨き酒が飲みたい」の一言が日本酒を次の世代まで継承する力になります。


今夜は私と付き合ってと盃がささやきます。|新着&イベント情報|天吹酒造|佐賀・日本酒・酒造会社


そう,宴席に美味しいお酒を,である。幹事役の労いもかねて,私は,あの「獺祭」(山口県岩国市・旭酒造(株))を提供した。さすが,獺祭。皆さんには,大変美味しく召し上がっていただけた。何より。
 さて,上記の「日本酒を次の世代まで継承する力」。私は,遠路はるばる運ばれてきたお酒を選んだ。リーズナブルで美味しいから。地酒をチョイスしなかったことに,地産地消としてどうよ,と言われる向きもあるかもしれない。果たしてどうだろう。味には嗜好があるのでどっちがどう,と単純には言えない。だが,いま,日本酒の世界で最もホットな一つである銘柄の味を知ることに意味があるのだ,と思う。何故か。その理由は,地産地消とは,本来,その土地の旨いものが,そこで食べることができずに大消費地に流れてしまうことのおかしさを問う取組みだ。決して,その土地で生産されているからと言って,地域で買い支えることとは違うからだ。
 いま,市場で高評価を得ているものをきちんと知る,そのことが結果として,地域としての切磋琢磨を生み,土地の味の質の向上につながる。時代に継承すべきは,内向きの論理ではなく,外へ出て行って戦うための質の向上を目指す精神だろう。私は,そう思う。
 さて,次は,「天吹」だな。