つい,手をとってみた。というのが正直なところだ。勝手にご縁かも,と思って。読み終わってから,ずいぶんと経つのだが,たんたんと読み進んであと,少し気になりながらも,ここに書かずにいた。
特段,書かないでいた理由があったわけではない。今の時点で振り返ると,読み手を選ぶのだろうな,と。なぜか。茶道,とりわけ千利休とその時代に興味関心が無いとページが進まないと思う。千利休の最期に不可解さや疑問を持っていないと読む動機にならないと思う。
なので,やや関心はあるよ,という方には,まずは「へうげもの」を読破されてから,この「本覺坊遺文」のページをめくるのをオススメしたい。それと,結構,大事なことなのだけど,同じ井上靖の短編集に「利休の死」があるので,こっちも読まないとフラストレーションが溜まったままになる。アマゾンでも中古しか見つからないけど,図書館にはあると思うよ。
少しネタバレするが,「本覺坊遺文」だけだと,辞世の句の「人生七十 力囲希咄 吾這寶剣 祖佛共殺 提ル我得具足の一ッ太刀 今此時ぞ天に抛」が出てこないからね。
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