美しい風景のオムニバス番組は,もっと知られていい「新日本風土記」


 ふと,見入ってしまう番組がある。NHK-BSの「新日本風土記」もその一つ。見始めると,つい最後まで見てしまう。たんたんとした進行。松たか子のナレーション。その土地を切り取る飾らない言葉のトピック。
 昨晩の放送は,「那須」。

関東平野の最北端に位置する那須天皇御用邸が建つロイヤルリゾートとして知られ、年間500万人の観光客が訪れる。日本最大級の扇状地が広がる那須は、水が伏流するため農業には適さず、長らく不毛の大地だった。ようやく本格的な開発が始まったのは明治時代。手つかずの広大な土地に目をつけた元勲たちが、疎水を引いて大規模な農場を整備。農作業の担い手を募った結果、那須への入植の動きが進んでいった。戦後は、硫黄島からの疎開者や満州からの引揚者などもあらたに那須へ入植。苦労して開拓した結果、那須は今や生乳の生産が本州一の酪農王国となった。時代の波にさらされながらも、この地を力強く切り開いてきた人々とその子孫の物語。

<オムニバス項目(予定)>
●日本最大級の扇状地…祖先が掘削した水路を大切に用いて暮らす人々
●明治の元勲たちの別荘…近代農場を夢見た松方正義
●開拓民を救ったお蚕さま…明治時代に入植した人々の暮らしを支えた養蚕
●再び戻れぬ故郷の“寿司”…強制疎開硫黄島を離れ、那須に入植した人々


新日本風土記


那須という地名。何とは無しに知ってはいたものの,きちんと知る機会に。
 なぜか明るく,地に足が付いていて,屈託のない「那須」。当然ながら,田舎なのに野暮ったくない。「牛部(うしぶ)」の高校生もよかったし,村総出の浄水場の補修,維持管理もよかった。
 この新日本風土記,不思議な番組ですよ。見終わると,その土地が好きになる。そして,いつも少しせつなくなる。


再放送は,10月9日(金)午前8時00分〜。いいですよ,「那須」。