財政破綻・夕張 村上医師 私は医療をしに来ているが,実際はまちづくりをしに来ているつもりでいる。


2月14日(水)午後6時台のNHKラジオ第一放送に,夕張市立総合病院の村上智彦医師が電話出演。以下,要旨。

NHKラジオ夕刊「編集長のここに注目 〜自治体病院再建策」

  • 三日に一度,当直体制。
  • 総務省による経営診断に当たった城西大学伊関先生からの依頼により,夕張へ
  • 新潟の公設民営型病院について学び,機会があれば北海道に戻りたいと思っていた。
  • 家族への相談無し。
  • 瀬棚町に入ったときは大変。全国一の一人当たり医療費を半分にした。
  • 夕張でも,予防に力を入れ,病気を追いかけるような医療はしない。
  • 病気といっても,そのほとんどは生活習慣病。住民の意識が変わらなければ,病人は減らない。
  • 医療が充実していても,その地域の平均寿命が長いわけではない。
  • 平均寿命の長い長野県は,医療の充実よりも生活習慣や集団検診による意識の変革による。
  • 夕張では,往診や健康講話を進めたい。
  • 病院経営では,医療と介護を分ける。老健施設を置き,もと病院経営コンサルタントの経営のプロを雇う。
  • もともと公的医療機関では,役場からの出向者や経営学を学んでいない医者が経営を担い,「病院経営のプロがいない」状態だった。
  • 公務員で医者をやると,結局は首長の部下なので,首長に逆らって医療は出来ない。公設民営は自由度が広がる。
  • あと十何年かすると,ここ(夕張)と同じ高齢化率の自治体が全国で3割を超える。
  • 私は医療をしに来ているが,実際はまちづくりをしに来ているつもりでいる。
  • 高齢者が安心して住めるまちづくりをして,コミュニティが成り立つ−という取組みをしたい。
  • 私は白い紙に絵を書くのが好きなタイプ。
  • 若い医師に,最先端の高齢者医療をやってるんだと伝えたい。


元気な語り口調に,聞き入りました。社会起業家としても注目されるのもうなづけます。夕張はいい人を得たな,と思います。
音質は決して良くありませんが,録音しました。


村上医師については,伊関先生が知り合う前に書かれた別ブログでの過去エントリが参考になります。
http://www.pm-forum.org/iseki/archives/2006/04/post_307.html