冬が明るいと感じる


 ガキの頃の冬にろくなイメージが無い。ニュアンスが上手く伝わらないかもしれないが,冬が嫌いなわけじゃない。アノラック(って,わかる?)を着て,雪の中に倒れ込んだり,積み上げた雪の中にトンネルをつくったり,プラスチックのソリに乗って雪山から滑り降りるのは大好きだったし,楽しみだった。


 ただ,空は陰鬱で,いや,明るい気分であっても空はグレーで重くのしかかるのような,その光沢のないメタルカラーの空そのものの中にいるような,雲のような空のような,ただただうつむいて歩くしか無いしょうもない空の下をとぼとぼと進んでいた。ガキの頃の冬とは,そんなつや消しネズミ色の空とつき合うしょうもない季節だった。


 最近,というか,年々,冬の空が明るい。雲がある。逆だ。青空が見え,そこに浮かぶ雲が見える。冬の空とは絵にならない世界だったのが,日差しが目に入る。こんなんだったっけ?冬って?と思うのだ。なんか,冬なのに明るいなー,と。


 そういや,ガキの頃,ちょうどこれから冬至に向うこの頃,朝,起きても家の中が暗く朝食時に照明をつけていたことを思い出す。最近,無いなぁ,と。



 あのー,誰か調節しましたか?