後から考えろよ


 子どもの学年末の文集は,過去に2度「将来,なりたいもの」欄は,スキー学校の先生だった。これには少し,驚いた。へー,スキー好きだったの?と思ったからだ。文集はもう,数年前のものだし,いまは違うことを考えているのだろう。ま,ある日,突然大きくなったり,その将来とやらがやってくるわけではないだろうから,あんまり,口を出さないので好き勝手に大きくなりなさい,というところか。
 そんな彼とスキーへ出かけた。ペアリフトに乗る。これは難しい。なにがって「この間をどうしてくれるんだよ」と思うのだ。いや,私は明石家さんまではないので,間を埋めるように喋り続けていないと死んでしまうというわけではない。この2人が同時に同じ方向を向いて,A地点からB地点まで,ほぼ直線に移動する最中,どんな会話を成立させよ,というのかわからない。これから何をするかって?そんなもん,スキーに決まってるだろ。いやー,寒いね。そりゃ,ゲレンデ,山を登ってるわけだし。風が冷たいよね。フェイスガードを忘れちゃダメだね。ほら,成り立たない。というくらい,ペアリフトは難しい。この点,ゴンドラリフトは違う。2人だと対角線に対置して配席する。相手とは,お,ほら,あれ,見てみろよ,であるとか,うおー,すっかり,あれが小さくなっちゃったよ,てな具合に会話は成立する。
 そのペアリフト上で,スキー学校の先生の話をふってみる。すると,彼は「夏は何やってんだろね。暇じゃん」という。いやいや,そんなことは後から考えようや。もし,なりたいのなら,そんなことは目もくれず,それだけを見つめりゃいいだろが,と思わせる。親としては,そういう視野の広さを獲得したことを喜ぶべきかもしれないし,成長とともに将来の夢とやらに,いろんな変化が起きたことを喜ぶべきかもしれない。

過去3ヶ月何をしていたかといいますと、

就職活動

をしていました。



はい、就職することにしたわけです。

半年前までは98%博士まで進む意気込みでしたが、
わずか半年で98%就職という状態に。

過去3ヶ月、書くことがなかったわけではなく、むしろ書きたいことがありすぎたのですが、私としては具体的な会社名を挙げて書きたかったので、責任回避の観点からSNSを利用していました。


就職することにした理由:生命の理解、そして「理解」の理解。


 社会にデビューする際は,いろんなことが頭に浮かぶ。いろんな力が作用する。いろんなふうに考える。こんなことを学んできたけど,実はやりたかったのはこっちの方だ,とか,いやいや,夢はどうしたんだ,とか,夢ってなんだったっけ?とか。「後から考えろ」の瀬戸際に立つわけだから。
 ただ,大事なことは,どんな道を通ろうとも,夢や目標を持ち続けるということだろう。その夢や目標がどんなカタチであろうとも,変わっていようとも。