「一定数の不具合」なのか,「痛みを痛みと思っていない証拠」なのか,後期高齢者医療制度という「騒ぎ」


 もー,前から言ってたじゃーん。とあちこちから聞こえてきそうなんだけど。まぁ,いいや。んでもって,今回の件のとらえ方の比較。

日本人の民度が落ちているんじゃないか、そう思わざるを得ませんね。
泥酔の老母にも、区から後期高齢者医療制度のお知らせが来ていました。
東京都後期高齢者医療広域連合の小冊子も同封されており、制度のしくみが分かり易く説明されています。
これらを読んでも理解できないような「主婦(60)」ってのは相当のバカなんでしょうか。
私たちの常識では、バカを人前で晒すのは恥ずかしいことなんですが、最近はメディアでバカを晒すのが流行のようで困ったものです。

本人にとっても家族にとっても、今回の制度は従前のと比べていろいろ改善が見られます。
(略)

制度でもシステムでも変わる際には、一定数の不具合があるものです。
それを大きく問題視するのは、物事の本質が分かっていない証左ですよ。
トラブルを恐れて従前ので良ければ、制度改革なんてしなければいいわけです。


後期高齢者医療、「制度複雑」戸惑い・不安
さるさる日記 - 泥酔論説委員の日経の読み方


この辺り,id:finalvent先生が,15日の毎日社説に対して,

どうも老人たち文書を読むことに慣れていないっぽい。誰か信頼できる人がこんこんと対面で説明し、ようするにそれも聞いてなくて、その人を信頼できるかという構図になっているようだ。


毎日社説 社説:高齢者医療 混乱する新制度 政府・与党の責任は大きい - 毎日jp(毎日新聞) - finalventの日記


結構,思い起こされる実感があって,吹き出しちゃったのだけど,「字,読めない」のは,普段から,読んでないのだよね。読む習慣が無い人は読めなくなっちゃうんだよなー,とか。「読めないんだから,払わないぞ」なのか,とかね(スゲーな)。
 といった払う側への言及がある一方で,まぁ,「オマエラ黙ってたろ」的な言及も。

 しかし、それ以上に騒ぎを目前にしての不感症、流行り言葉で言えば「KY」ぶりに唖然とさせられるのが厚生労働省です。15日になってマスコミ向けに従来と保険料がどう変わるのかモデルを示して説明したのですが、保険料が減額される場合だけが具体的で、大事な保険料が増える例の説明が無かったそうです。余裕が少ない年金生活をしている高齢者にとって、千円、2千円の増額が痛いのですから、事前に理解を求めて置かねばならなかったと思います。

 この痛みを痛みと思っていない証拠があります。5日前の4月10日に厚労省後期高齢者の保険料が2015年度に年間8万5000円になるとの試算を公表しているのです。08年度の全国平均7万2000円から1万3000円も増えると始まる前から宣言していたのには、開いた口がふさがらぬ思いでした。

(略)

 毎日などの社説は16日になって強く批判を始めましたが、霞ヶ関周辺でしか情報収集が出来ない在京メディアの体質では、中央官庁に先んじて警鐘を鳴らすことが出来ない根本的な欠陥を露呈してしまいました。


Blog vs. Media 時評 | 後期高齢者医療制度で厚労省のKYに唖然


という騒ぎが,2008年の春にありましたよ。というとこかな。