非常時である。
大災害であり，国難であり，みんなで助け合いである。
しかし，この大震災が起きて以降，小さくとも喜びや楽しさをあなた自身が感じる場面があったとして，そのことを自粛だとか，配慮だとかの気分に浸されてしまって，感じていることをそのものを否定してしまってはいけない。いま，大変な状況に立ち向かっている人たちを直接，間接に支えているあなたの活力が失われてしまっては，元も子もない。
不謹慎なまでに感情をあらわにしろ，と言っているのではない。全体やらムードやら雰囲気に流されてしまって，本来，やろうとしてしまうことを省いてしまった結果が積み重なると，復興のエネルギーそのものが社会から損なわれてしまう。まさに合成の誤謬である。
こんなときだとはいえ，日常生活を送ることができるあなたは，ギャグ漫画を買ってもよく，映画を見に行ってもよく，スポーツカーを買ってしまってもよく，高級フレンチを食べにいってもよい。
協力すること，思いを寄せることと，伝聞にダメージを受けて打ちひしがれてしまうことは違う。あなたはあなたの当たり前の日常をちゃんと送ることだ。そのことがあなたのできる第一歩だ。
