写真に写す人間国宝である。対談,そして弟子の言葉である。私にとって小三治師とは,花王名人劇場である。その頃は,タレントとしてテレビにもよく出ていて,バイクの話しもしていた。たいてい北海道へのツーリングだったように思う。どんな噺をしていたろうか,いや,そもそも好きな落語家だったか,当時,私にはニュートラル。ただ,まくらは好きだったはず。そんな小三治師がいつから,私にとってチャーミングになったか,いや世間の皆さんにとっても魅力的になったのは,ジジイになってからだろう。何か,怒っているオジサンだったのが,枯れてかすれて聞き手に具合がよくなったのだ。
とはいえ,この一冊で分かるのは,この人の世の中に対してのムズムズは,ずっとしたままなのだ,ということ。そして,円菊の高座(での態度)にも文句があるということだ(!)。
ちなみに書籍版(というか原作)の「日々是好日」の後書きも小三治師である。
- 作者: 別冊太陽編集部
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2018/09/27
- メディア: ムック
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