山本譲司「累犯障害者」を読んだ


 非効率、不合理を憎む私たちが作る『累犯障害者』 (超ビジネス書レビュー):NBonline(日経ビジネス オンライン)を読み,本を買った。私は,著者を講師に呼び,前著で書かれた話しを中心に講演していただいたことがある。今回は,著者がより感心のあるテーマを掘り下げたもので,そうした経過がわかってしまう分,何かを掴みたいがかなわない虚しさがつらい。これが読後のいまの感想である。


 やるせない。せつない−各章ごとに,同じ感想の重さが加わる。
 見ないこと,知らないでいること,関わらないでいること,結局は,自分だけは,自分さえよければイイって思いが,僕らの社会の根っこにあるがゆえのタブーなのだ。特殊な人たちは世の中からいないこととして考えているために。
 人は同じ,手をつなげ,手を取れ,バカヤロー,だ。薄っぺらな人間観と,か細い福祉思想の社会に僕らは生きていることを確認させられる。


 そして,「本当」や「現場」ということも考える。



累犯障害者―獄の中の不条理

累犯障害者―獄の中の不条理