便利な言葉だな。「生活者」

 “生活者”という不思議な言葉がある。いや、海外生活者とか給与生活者とか、頭になにかがつくのであればなんの違和感もないのだよ。おれが子供のころから奇妙だなあと思っているのは、“生活者”が単独で使われる場合なのだ。「われわれは生活者の立場で、この弱者切り捨て政治を……」とか言う場合のことである。


[間歇日記]世界Aの始末書: 生活者にあらざる者

そうなのだ。私も気になって仕方がない。「消費者」に対しては,「生産者」。「労働者」に対しては,「使用者」。では,生活者には?

 “生活者”の対義語はなんになるのだろう? “死者”か? いや、そうじゃないよな。“死者”の対義語は“生者”だろう。“死滅者”かな? でもないよな。“活”の反対は“滅”じゃないだろう。“滅”の逆は“盛”だと思うな。

 となるとやはり、“生活者”の対義語は“死活者”が妥当だと思われる。


[間歇日記]世界Aの始末書: 生活者にあらざる者

私は「遊興者」なんて,どうかな?とも思ったが,これも「遊興生活」があるくらいだから,ダメだな。「生きて活動するから,生活」なのであれば全ての人だ。死活者は,「生きるか死ぬか」の人であるから,まだ生きている人だ。冬樹 蛉さんは生者の対義語と言ったけど,あえて対象の存在を探すとしたら,死者しかない。
 だからサ,「生活者の視点」,「生活者の立場」って,オカシイだろ。