バレンタインデーに,オッサンが一人で見に行くのもどうかと思うが,「キネマ旬報上位特別上映」とやらで,この機会を見逃すとスクリーンで見ることはできないなと思い,見てきた。「シネコン」のカウンターのお姉さんに「指定席となっておりますが,席の希望はありますか?」と聞かれる。「特にないです」と応えると,「それでは,一番後ろの席の真ん中,I-9をご用意いたします」とのこと。どうやらスクリーン正面で,スクリーンの視野角の頂点に位置する「ベストポジション」って,オイッ!俺の貸し切りかよ。あー,なんかとんでもない事態だと思っていると,上映開始2分前にオバさんと連れ(年齢性別不明)がやってきた。彼らは私と同じ一番後ろに座る。一人じゃなくて,ホッともしたが,こんな近くにわざわざ座らんでもいいのに,とも思う。
映画そのものは,抑制を利かせて引っぱってつくってあると思った。そうして見るものにフツフツとした感情をわかせたいのが監督の意図なのだと思う。
どうしても結論だけに目が奪われてしまいがちですが、むしろあのような結論であるからこそ、それに至るプロセスの深刻さが際立たせられているのだと思います。
私もあのラストには納得がいった。あれでいいし,タイトルの整合を考えれば,なおさらにああでなくてはいけない,と思う。
それにしても,主人公の我慢強さには恐れ入る。26歳とのことだから,イマ風の若者気質の一典型なのかも知れないなと思った。
いろんな人に痛い映画なのだと思う。その点でもこの映画が成功していることになるのだろう。私も一人,この映画を痛がるであろう人間が浮かび,自分のデリカシーのなさを嘆いた。
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