しつけ教育は,大人からやろうぜ。


 昨日,感心する記事を読んだ。

 あいさつや掃除などを通じ、人格形成を掲げてきた日本の学校。「グローバル時代に必要な協調性が身につく」と「特別活動(特活)」への関心が海外で高まる。


しつけ細やか、学校で 掃除で人格形成、日本式に反響:朝日新聞デジタル


へー,そうなのか,と思う。

 「いすに座るときは背中をすっと伸ばす。後片付けや人を敬う姿勢も教えてくれる。地元校に入った長女とは全然違う」と父で医師のハーリド・シェッヒさん(39)は目を細める。現地の学校では基本的に、そうした身の回りのことは教えないからだ。家には家政婦が2人いるが、アフマド君は靴や脱いだ服、食べ終わった食器などを自分から片付けるという。


しつけ細やか、学校で 掃除で人格形成、日本式に反響:朝日新聞デジタル

 在日サウジアラビア大使館の文化教育担当官、イサム・ブカーリさん(35)は「私たちも規範や規律は厳しく教えているが、徹底させるのは難しい。日本の学校は実践させながら、連携して責任を果たす力を身につけさせていることに感銘を受けた」と話す。日本の小学校に視察に来る教員も増えているという。

 長女(7)に責任感やマナーを身につけさせたい、と日本の幼稚園に3年間通わせた。「日本の学校が重視する『和』の力はグローバルな世界に必要。アラビア語や英語で発信できれば産業になる」とブカーリさんは言う。


しつけ細やか、学校で 掃除で人格形成、日本式に反響:朝日新聞デジタル


 さらに,へー。
 世界から注目されることで,しつけ教育だけでなく,「しつけ」そのものへの関心も高まるだろう。学校でのしつけ教育は,より充実していくのだろうが,その前にやるべきことがあるんじゃなかろうか。子どもは,学校で教わり,関心が高まるものの周りの大人のていたらくにガッカリする。あー,ダメな親だ,ダメな大人ばかりだ,と。
 記事に記載されていた「小学校でのしつけ教育」の事例を引用する。

・早寝早起き
 生活リズムチェックシートをつけさせる
・歯磨き
 給食の後,全校放送に合わせて一斉に歯磨き
・トイレの使い方
 人形でお尻の拭き方を練習する▽和式トイレの座り方や座る位置を絵で紹介
・お風呂の入り方
 ハンカチを使って教室で体を洗うまねをする。
・整理整頓
 教室の床に貼ったシールに合わせて机をまっすぐに並べる▽靴をそろえて収納した写真をげた箱の横に掲示


しつけが身についていない大人への生活指導は,誰が行うのだろう。だらしのない生活習慣は,貧困の温床となる。ダメだとあげつらうのではなく,生活に介入して改善させるようなソーシャル・アントレプレナーの登場が待たれる。
 ムダな社会コストの低減に必要な投資だと思うのだ。


<追記>

謝り方

 「相手の顔をいち、にって見た? これぐらい頭を下げて『ごめんなさい』って言います。さん、はい」

 昨年12月上旬、大阪市東住吉区の市立矢田西小。養護教諭の北俊恵さん(49)の声に合わせ、2人1組の1年生24人が大きな声で頭を下げ合い、謝り方を練習していた。北さんが開発した「基本的生活習慣形成プログラム」の一つだ。


しつけ細やか、学校で 掃除で人格形成、日本式に反響:朝日新聞デジタル


顔の洗い方

 資生堂は2010年から小5、小6を対象に、全国の学校で洗顔教室を開いている。これまで約60校で開催し、顔の汚れの説明や洗顔料の泡立て方、顔の拭き方などを教えた。

 東京都東村山市立回田(めぐりた)小学校では昨年12月に開いた。「今日の朝、顔を洗ってきた人?」。講師役の社員が5年2組の27人に問いかけると、10人ほどが手を挙げないままだった。


しつけ細やか、学校で 掃除で人格形成、日本式に反響:朝日新聞デジタル


 考えさせられる。とても。