斜里の小学校がホームページ大賞な件から学ぶ


 旧聞にして恐縮だが,11月17日に開かれた全日本小学校ホームページ大賞の最終選考会によって北海道網走管内斜里町立峰浜小が最高賞に輝いた。

[ 受賞理由 ]
教職員・児童・保護者が複数のブログで情報発信を行っており、地域と一体になった運営がされている。コンテンツの豊富さ、子どもたちや先生が発信しているブログ情報の質の高さは特筆すべきものがあり、これらの蓄積が貴重な情報アーカイヴを形成している。自然が溢れる地域のもつ特性をホームページに写し取った水準の高さは見事である。また、その地域の中で子どもたちのいきいきとした様子がうかがえ、ホームページを見るものにとって非常に興味を惹かれる内容である。


J-KIDS大賞2007|最終選考結果発表


受賞理由を箇条書きにしてみよう。

  • 複数の担い手でのブログで,地域一体となった運営
  • ブログの質の高さと,そのアーカイブ


ありゃ,2行だ。でも,まぁ,なるほど,ブログがいいのか。
 では,この受賞理由を生んだ選考のコンセプトを見てみる。

 学校が保護者や地域からの信頼を得るには、学校自身が「地味でベタな情報」を毎日のように発信し続けることが必要です。相互の信頼関係が形成されることで、学校活動への参加が促され、コミュニティや地域防犯に対する意識も高まります。学校が地域の相互信頼の拠点として機能することで、学校のみならず地域全体の価値向上にもつながってゆくでしょう。


学校信頼を獲得するために J-KIDS大賞2007|選考コンセプト

学校ホームページとは、学校のすべてを愚直に表現するものでなければいけません。J-KIDS大賞が学校ホームページに対して問うのは、表面的なホームページの技巧ではなく、むしろ、ホームページを通して伝えられる地道な学校の取り組みであり、そこからにじみ出てくる学校や子どもたちの個性です。私達は学校ホームページを通じ、学校活動そのものに対して賞を差し上げたいと考えています。


ホームページは学校そのもの J-KIDS大賞2007|選考コンセプト


うひょっ。「学校活動そのものに対して賞を差し上げたい」とは大っきく出たな,と思うが,ホムペに学校が等身大で表現されているとするならば,こう言い表されるのも当然か。

ホームページに表現される学校の日常もまた、多様な立場や場面が反映されることで豊かなものになります。担当者1人の視点よりは、様々な立場の教職員・児童生徒、保護者や地域の方々が参加することで、複眼的な記述や考察を得ることができるでしょう。


多様な学校個性と多様な表現の可能性 J-KIDS大賞2007|選考コンセプト


そーだねー。そのとおりだねー。

様々な人々が参加し、学校に情報が蓄積されると、学校ホームページは地域コンテンツとしての意義を持つようになります。地域のコンテンツは、本来、地域の人々が生み出してこそ意味があります。特に子どもたちの制作参加は、情報編集・発信の高度な能力育成を促すだけでなく、そこで生み出されたものは、その年代、その世代固有の視点や考えを反映しており、後年も継承されることで地域の貴重な資料となるでしょう。


継承される地域コンテンツ J-KIDS大賞2007|選考コンセプト


そーだねー。そのとおりだねー。その2

学校ホームページには、組織としての立場や方針が明示されていることも必要です。学校からの情報発信を統括すべき立場は校長であり、学校経営の一環から、校長自身が日常的な学校広報に積極的な関わりを持つことが求められているといえます。


学校経営と学校広報 J-KIDS大賞2007|選考コンセプト


 うーん,正しいぞ。どうにも正しいな。
 じゃあ,これをもとに企業ホムペを考えてみることにしよう。

  • 企業が株主や顧客からの信頼を得るには、企業自身が「地味でベタな情報」を毎日のように発信し続けることが必要です。相互の信頼関係が形成されることで、企業活動への参加が促され、マーケットやセキャリティに対する意識も高まります。企業がステークホルダーの相互信頼の拠点として機能することで、一企業のみならず業界全体の価値向上にもつながってゆくでしょう。
  • 企業ホームページとは、企業のすべてを愚直に表現するものでなければいけません。J-オトナ大賞が企業ホームページに対して問うのは、表面的なホームページの技巧ではなく、むしろ、ホームページを通して伝えられる地道な企業の取り組みであり、そこからにじみ出てくる企業や社員たちの個性です。私達は企業ホームページを通じ、企業活動そのものに対して賞を差し上げたいと考えています。
  • ホームページに表現される企業の日常もまた、多様な立場や場面が反映されることで豊かなものになります。担当者1人の視点よりは、様々な立場の役員・従業員、株主や顧客の方々が参加することで、複眼的な記述や考察を得ることができるでしょう。
  • 様々な人々が参加し、企業に情報が蓄積されると、企業ホームページは業界コンテンツとしての意義を持つようになります。業界のコンテンツは、本来、業界の人々が生み出してこそ意味があります。特に社員たちの制作参加は、情報編集・発信の高度な能力育成を促すだけでなく、そこで生み出されたものは、その年代、その世代固有の視点や考えを反映しており、後年も継承されることで業界の貴重な資料となるでしょう。
  • 企業ホームページには、組織としての立場や方針が明示されていることも必要です。企業からの情報発信を統括すべき立場は社長であり、企業経営の一環から、社長自身が日常的な企業広報に積極的な関わりを持つことが求められているといえます。


参った。どストライク!
 では,ここからふり返って斜里町立峰浜小の受賞理由を企業目線で見ると,


[ 受賞理由 ]
経営者・社員・株主が複数のブログで情報発信を行っており、一体になった運営がされている。コンテンツの豊富さ、社員たちや経営者が発信しているブログ情報の質の高さは特筆すべきものがあり、これらの蓄積が貴重な情報アーカイヴを形成している。現場の様子が溢れるこの業界のもつ特性をホームページに写し取った水準の高さは見事である。また、その現場の中で社員たちのいきいきとした様子がうかがえ、ホームページを見るものにとって非常に興味を惹かれる内容である。


こんなこと言われたら,そりゃJ-オトナ大賞とる企業ホムペだわね。勉強になりますた。つーことは,企業ホムペの中で,ブログが大事だよってことだわね。大人もちゃんとホムペやんなきゃ。