ベーカリーのないようなところには住みづらい


 ここしばらく,週末に,パンを補給するように買っている。職場が変わりに平日にパンを買う機会が無くなったためだ。歩いて2分でコンビニもあるし,10分も歩けば大きな駐車場のスーパーもある。決して買物に不便な場所ではない。当然,袋に入ったパンはいくらでも買える。最近は,凝ったパンやこだわりの〜パンも,個別の包装ビニールの袋に入って待ってくれている。
 だが,残念ながら,私の欲しいのは,その類いのパンではないのだ。私が買い求めたいのは,袋に入っていないパンだ。トングでぐいっとつかみ,年間何人がこのトレーから床にパンを落とすのだろうと思うのだが,落とすところは見たことがないトレーを片手に,次々とパンを選ぶ式のベーカリーのパンを私は買いたいのだ。しかも,歩いていける距離で。
 以前はよかった。このマチ一番の低廉な価格(なんせ,バターロールが1個¥30だゼ!)に,「正直者を絵に描いたような夫婦」がやっている小さな店が近所にあった。週に1度は通ったし,来客にも,よく自慢したものだった。あぁ,思い出すと,食べたくなる(ちなみに,この店は日曜・祭日と月曜が休み)。ヨモギアンパンが食べたい。また,自宅そばにも最近,パン屋が開店したことを知ったので,ここでの五穀パンを買うことが楽しみにもなっている。ちょっと高めだが,まぁ,いい。
 しかし,しかしなのだ,生憎,いまの私の職場近くにはベーカリーがない。パンが買えないのだ。コンビニのパンでイイじゃねーか,って?そうはいかない。味気ないのだ。いや,ハッキリ言おう。美味しくないのだ。パンの味がしないのだよ。小麦の味や発酵臭がしないのだよ。つまらんのだ。何で,美味しくないパンを買わなきゃいけねーんだ。やだね。そんなら,食べない。
 いい大人がパンぐらいで何を騒ぐか,バーカ!ということだろうが,バカで結構。気が向きゃ自分で焼いてやらあ。しかし,まぁ,ベーカリーの一つもないようなところには住みづらい,ってことだ。私には。