ベッドのふりをしたギロチンか

 国民生活センターは26日、通信販売業者の株式会社ベルーナが販売した電動リクライニングベッドで、幼児が挟まれて死亡する事故が起こったと発表した。

 事故を起こした製品はベルーナが中国から輸入し、2005年4月から販売している電動リクライニングベッド「ネオ・ユニバーサル」。12月9 日、愛知県において、4歳の男児がマットとベッドガードの間に首を挟まれ、窒息死しているのが見つかったという。遺族によれば、事故が起こる前から、リモコンのボタンを押さずとも、ちょっとした振動を与えただけで勝手に作動することがあったという。遺族は事故原因がリモコンの不具合にあるとして、国民生活センターに調査を依頼した。

(略)

 同センターのデータベースによるとベッドまたは折りたたみベッドによる事故や危険であるとの指摘は、合計344件寄せられているという。


ベルーナの電動リクライニングベッドで幼児が死亡する事故


 この一報をラジオで聞いたため,はじめはリクライニングし過ぎて,くの字に折れて挟まれてしまったのかと思ったが,そうではないらしく,リクライニングした状態のマットとベッドの枠の間に挟まれてしまったとのことだ。なぜにベッドに襲われて命を落としてしまわねばならぬのか,ご遺族の悔しさは心中より溢れてとどめないことだろう。お悔やみを申し上げる。
 重心がかかった状態の体重を押し上げ,そして下げるには,その荷重に応じた力を作動させる動力が働いているわけで,家電として大力な部類に入るだろう。そうしたメカに求められる安全のために考え及ばなければならないことがらが技術者の間で継承されているのかと心配になる。ちゃんとしたものを,ちゃんとつくり,ちゃんと売るという,あえて言うなら「使命感」や「心意気」を通すための根っこの部分が継承されているのか,ギモンだ。
 総やっつけ社会か。



<追記>
 事故調査の検証が原因の特定が済んでいない中での言及しつくすことは当然,無理なのだが,上記の「技術者」には,販売技術,顧客管理技術が含まれる。目利きの売り手なくして,その商品が使われるシチュエーションに応じて求められるスペックを買い手に示し,買わせることができないだろう。故に,その商品の「使われよう」を考えれば,事故を起こりうるままに売られてしまったことの悲劇でもあろう。道具は使いようであり,道具そのものには罪は無いはずだ。