新しい世界に進むということ


 たとえば,中学校や高校に進学して,これまで経験の無い部活動を始めたとする。それは興味関心があったとして,または友人知人に誘われたとして,入部を決めたにせよ,これまで未知なことに多数出くわす羽目になる。
 次から次に出てくる新しい言葉もその一つだ。その世界にとっては当たり前の言葉であっても,一つ一つがわからない。ときには省略形であったり,概念そのものがわからなかったり,ときには体の使い方から会得しなければ十分ではない言葉であったり。
 そうした戸惑いや不安から来る恐怖というものがあるわけだが,年齢や社会経験により,未知のものであっても類推が可能になる分,または失敗に伴うリスクと対処法の想定により,恐怖感はずいぶんと逓減してしまう。未経験によるセンシティブな面に対し鈍感力がついてくる,という言い方もあるかもしれない。
 新年度がスタートして2カ月半。そろそろ,新しい世界に踏み出したそれぞれが「慣れてきた」ころか。