リサイクルとディスカウントとヤフオクの経済


 MacBook Air が,修理から返ってきた。さて,ブログを書こうかと思うのだが,修理について書くとヨイやら,原因はSSDに不良があったようだ。SSDをお使いの皆さん,HDDだけじゃなく,SSDでも故障するみたいですよ。まあ,これについては,別に記録しておこう。となると,何を書こうか。醤油を買い忘れていたので,塩で冷や奴を食べたら美味しかったこと,いや,テレビドラマの最終回のことか,それとも,ピアニストの祝賀会の件,マクドナルドのビッグアメリカ・アイダホを食べてみたら,やはり,後々,後悔したこと,いろいろあるけど,書きかけにしていた話を書いておこう,と思う。
 もう2週間前の週末の買い物で,上着2着と帽子を買った。計1,250円なり。某大手ビデオレンタルショップが展開するリサイクル・コーナーでの買物だ。たまたま,この買物日が最終の半額セール期間中だったので,本来は,この倍の値段。それでも安い,激安だ。中古の風合いが出てきている頃でもあり,美味しい買物ができたと喜んでいる。店内は,こうした上着だけではなく,ジーンズやTシャツも質のいいものが,300円や500円で並んでいた。次にこれらのものを買う機会があったなら,ここに来よう,と決意した。
 ただ,それにしても,だ。これまでのモノを買う感覚ではいられない価格が日常化している時代と社会に,私たちは生きている。真っ当な価格,需要と供給の平衡点で決まる価格なんて考え方が,軽く吹き飛ぶような値付けがされている。旧来のままの考えでいる方がどうかしている。リサイクルショップ,ディスカウントストアが当たり前になり,「定価なんてものが,かつてありましたね」の世界。貴重なはずの掘り出し物が,思わぬ安値で出会うことが可能なヤフオク。経済のメインストリームとは別の「際物」だったはずの世界がすっかり広がり,もはや,マイナーではなくなっている。特に生活シーンにおいては。
 これからどんな経済社会がやってくるのだろう。わからないことだらけだが,これまでとは違う価値観で対処しなければ,生き残りは難しいだろう。激安の日常にあって,変われることが最大の武器になる。
 どう変われば,いいというのか。これまでの人口が増える一方の社会では,インフレ,すなわちモノが無い社会であった。なので,経済の基調はモノを供給することが良しとされたわけだ。つまり,製造業バンザイ!しかし,今はどうか。人口は減る。人口の再生産が追いつかないのだ。しかも,海外からの供給も多い。聞き飽きたが,モノがあふれる社会,と言われて久しい。まあ,なので断捨離なんて言葉がブームになる。すでに余剰となっているモノをいかに回すか,モノのマッチングであり,モノを有効に使ってもらえるように「最適化」する,もしくは,モノを価値ある使い方ができるよう人間を向上させる業務が求められる。その一端が,リサイクルショップであり,ディスカウントショップであり,ヤフオクのなのだ。もちろん,いま,必要とされる業態としては,これらばかりではないだろう。非製造業として考えてみるなら,養鶏よりジビエ、農耕より山菜狩り,と言うように付加価値の高い狩猟採集経済も成立するようになったわけだ。「水道理論」のように,安く大量に供給することが唯一の是ではない。すでに,モノはあるのだ。これまでにない,高度流通業が必要とされている,私は現状をそう思う。