業,「ごう」ね。
性,「さが」よりも,負っているものとしての,どうしようもなさ。そんでもって,あー,そこで我慢ができないんだよね,あんたってーは。つくづく,もどかしく,イラつかせる,誰が?って,長谷川等伯ですよ。
小説「等伯」を読んだ。
絵師として認められたい。一流になりたい。栄誉を得たい。評価が気になって気になってしょうがないサラリーマンか,オマエは。どんだけの承認欲求なんだよ。
等伯は,経験から学ばないし,高い徳も身につけない。ダメなのだ。絵は素晴らしいのだ,だが,しょうもない人なのだ。結果として,絵は評価されても,この人の周りに人は寄ってこない。欲が勝っているから,寂しさにも気づけない。
自らの業が招いた災難や苦労,そして,周囲への迷惑や負担,犠牲。追い求めた名誉や出世欲に,どうしても勝てずに流されてしまうこと,そのどうしようも無さやバカバカしさ,そんなものを再確認するための小説といえば,よいか。
そっか,昭和の高度成長期の熱血サラリーマン戦士の小説かも。そういや,連載は,日本経済新聞だったな。
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