この時代に,他人のためにただただ汗して労している人たちがいる。
ここでいう他人とは,疫病に罹患している人のみを指すのでは無く,疫病で止まってしまった社会,世の中を言う。これを再び回すため,もとに戻すために尽力している人たちを見るとき,通常のマインドセットではいられない。強欲,自己犠牲ではない利他とは何か,という根源的な疑問が湧いている。そこに立ち上がったのが,人文科学の東工大オールスターズの面々である。
いったい周りのために尽くすとは,どういうことなのか。欺瞞や偽善,取り繕い,気恥ずかしさ,インチキといった善行にまとわりつくものを意識してしまうとき,つい踏みとどまってしまう。いやいや,取った行動が確実に他人のためになるのか。喜んでもらえる結果となるのか,そもそもが不確実であり,結果を期待しないアクションではないのか。その行動を起こすスイッチとはいったい何なのか。
ズブズブと五人の著者がつくる思考の渦に埋もれていこう。膝を打つこと請け合いだ。