読書感想文「私は合格する勉強だけする」イ・ユンギュ (著), 岡田 直子 (翻訳)

 勉強してますか?
 豊穣かつ滋味深く奥行きのある知識と教養を持った人間になるための学びの話しではない。試験勉強だったり資格取得のための勉強の話だ。なので,イ・ユンギュは言う。むやみに一生懸命,勉強する必要はない。満点や高得点を取るためじゃなく,合格するためのレベルに適う状態に持っていくためだけの勉強でイイのだ。時間は有限だ。必要以上の勉強は,満足感はあっても,時間と労力のムダなのだ。
 だからこそ,合格というゴールに向けた強い決意と覚悟が問われる。ある?そして過去問題集だ。これは,出題者からの手紙なのだ。返事としての解答というアウトプットを行うのだ。そして,そのために解説書であるテキストを読むというインプットを行うのだ。インプットをし続けたところで,評価されるのはアウトプットした結果に過ぎない。正しいアウトプットとは,水泳のようなものだろう。体を浮かせ,足を底に着けず,水を飲み込んでしまわず息継ぎをし目標の距離を進むだ。コツの伝授や基本的なアドバイスは受けるだろう。だが,泳ぐのは自分だ。だから,どうして泳げるようになりたいのか?どんなふうに泳ぎたいのか?どこまで,どんなスピードで泳ぎたいのか?を自分に問うことになる。
 目標は明確であるべきなのだ。勉強することは目標じゃない,手段だ。畳の上でどれほど練習したからって泳げるわけじゃない。日頃から水中で泳ぐというアウトプットが欠かせないのだ。
 勉強する全ての人がスタートするに当たって読む本だ。