もしかすると,ガラパゴス・エコカーな時代なのかもしれんよ。


 先日,ツィッターに,次のとおり書いた。

例えば、ハイブリッドカーは、ホントに言うだけ燃費がヨイのか? 電池や機器増分の車重による燃費負担が結構あるんじゃないか。そ んな疑問が湧いてくるダイハツ・ムーブに乗った後の午後。


http://twitter.com/kazgeo/status/16442628734


 車重の軽いクルマや,アイドリングストップなど,ハイブリッドカーでなくとも燃費のよいクルマは多い。そうなら,ハイブリッドカーの進化が,ワンアンドオンリーなのか,疑問が湧いてくるのだ。もちろん,ガソリン車がそのままであってもいけないし,EVを巡る環境が劇的に変わらない限り,そのシティ・コミューターの位置付けも変わらないだろう。
 そんなことを思っていたら,モータージャーナリストの清水 和夫さんが,次のように書いていた。

 そもそも燃費とは何か。クルマもヒトと同じように、どんな仕事をしたのかで消費するエネルギー(燃料)の量は異なる。たとえば高速道路で東京−京都間を移動した場合の燃費と、京都市内をゆっくりと走った時の燃費には大きな違いがあるはずだ。

 当然、高速走行した時のほうが走行距離あたりの燃料消費量は多いが、この場合、決して燃費が悪いとは言い切れない理由がある。重量1.5tのクルマが数人の大人を乗せて、平均速度100km/h程度の高速で走った時の燃費である。同じ距離を走っても短時間で移動した時のクルマ“仕事量”は、そもそもゆっくり時間をかけて走った時よりも多いのだ。

 だから燃料消費量だけで考えるのではなく「仕事量と燃料消費」の比率が本来の効率となるのである。しかし、新車を買うときに参考にするカタログ値としては市内走行に相当する燃費しか記載されていない。


特殊な日本の燃費基準 エコカー開発の方向を歪めないか:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ−


 私は,エンジンの総回転数を記録しておけばよいのに,と思う。その給油の度に,前回給油時までの回転数から,今回までの回転数を引くのだ。これであれば,アイドリング時も「仕事」として記録されるわけだから,よいと思うのだ。

 日本では「10・15モード」でも「JC08モード」でも、基本的には市街地走行を想定して計測される。しかし、欧米では市街地と高速を分けて燃費表示し、さらに混合モードとして市街地と高速走行をミックスした燃費性能も表示される。

 欧米のように「市街地」「高速」「混合」の3つの燃費表示があれば、新車を選ぶとき、高速利用が多いユーザーは高速走行時の燃費性能に注目すればよいし、街中で使うユーザーは市街地走行の燃費を優先することで、自分のライフスタイルに合った燃費性能のクルマを探すことができるという合理性がある。日本も是非、「JC08モード」に市街地走行とは別に高速走行時の燃費性能表示を加えて欲しい


特殊な日本の燃費基準 エコカー開発の方向を歪めないか:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ−


 なるほど,「市街地」「高速」「混合」。そういうやり方もあるね。いずれにせよ,オカミが勝手に量ってしまう燃費じゃあダメだ。業界とグルなんだろ,って,どうしても言われてしまう。そこに客観性をもたせるようにしなくては,いけない。

国土交通省では、車両重量を細分化し、重量カテゴリー別にトップランナーを決め、燃費目標基準値を設定している。この制度ではおかしなことに、燃費が悪くなる重いクルマほど燃費目標が“有利”に設定されているのだ。

 そのため、新型車の車重をわざわざ装備で重くするということが横行している。同程度の燃費なら、重い方が燃費目標を達成しやすく、良燃費の評価を得やすいためだ。こうしたやり方でエコカー減税の対象に滑り込んだり、減税額の大きなランクに“昇格”させたりしていたのでは、税金泥棒のそしりは免れない。

 欧米の燃費規制は、メーカーが販売した全自動車の平均燃費がベースになっている(CAFE規制)。つまり、車重の大きなクルマをたくさんつくるほど不利になる。これに対して、日本では2t近いミニバンやSUV(スポーツ用多目的車)がエコカー減税の対象車になっている。米国の巨大なSUVとして有名な「ハマー」が減税対象車になったといえば、その愚策ぶりを理解していただけるだろう。


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 そう!前から気になっていたのだ。なぜ,2t近くも車重のあるクルマが,エコカー減税なのか,と。去年に比べりゃ,勉強ができるようになりました!サッカーや野球が上手になりました!と言っているようなもので,その努力は認めますけど,客観的な点数はどうよ?レギュラーになっているのか?球拾いのままなのか?というのがポイントだろう。

 日本は環境技術では世界のトップと言われているが、ユーザーにどこまで正しい燃費性能を知らせているのか疑問だ。日本では燃費性能はユーザーがクルマを選択したり、利用したりするための情報ではなく、メーカーがクルマを売るための情報となってしまった。

 日本では特殊なテスト法がいびつな燃費基準を作り、さらにそれをもとにエコカー優遇制度を作った。このままだと、世界には通じない日本独自のエコカーを作る危険性さえ感じるのだ。


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 信用の出来ない数字が跋扈する国・日本!でよいのか。どうした?消費者庁ガラケーとは,すっかり定着した単語だが,ガラパゴスエコカー,ガラ・エコにならぬよう,アクションが必要な時期ではなかろうか。