昼休みにパンを買って思った。


 昼休みに郵便局へ出かけた後,隣のホテルのベーカリーでパンを買った。パンを選んでいると,ふと,同僚が彼の子どものことを心配していることを思い出した。何の脈絡もなく。きっと,彼にいろいろなことがあったとしたも,子どもは巣立ち,そして,その節目節目において,悲喜こもごもがあり,彼はそのたびに感情を高ぶらせたりしながら,場合によっては涙を流すのだろう。


 そんなことを思った。レジに選んだパンを持って行くと,決して若いとは言えないお姉さんがいた。女の子であれば,こうして笑顔を振りまいているのかもしれないね,とも思った。彼女に奨められて,塩味のパウンドケーキを買う。今月限定なのだそうだ。買わなくちゃ。ただ,評判なので,来月以降にも継続するかも,とのこと。また,来店した時には,あるかな。


 ホテルを出る。夏至の翌日の空は,どこまでも突き抜けて青い。自転車で職場に戻る道に,大規模ショッピングセンターに出店して閉店したままのラーメン屋の看板が見える。人気店だったのにな。


 45分間の昼休み。わずかな時間にいろいろと感じることがあった。