読書感想文「政治学者、PTA会長になる」岡田 憲治 (著)

 オカケンとは友達になれるな。うん,きっと飲める。そう,義憤スイッチ。わかるよ,オカケン。四半世紀前、私はヤング・ファーザーでPTA役員だった。因習に囚われた世界だったけど、私はいらん業務はドンドン止めた。教頭と職員室で大喧嘩して、二人とも校長室に呼ばれたこともある。
 世間を強く意識する我が国では、評判が悪くなる、不興を買う、噂のネタにされることを極端に嫌う。なので、やることは前例踏襲と同調圧力が基本となる。決める、変えることがとても「不安」で、何となく自然にしようがなく「そうなった」ことが優先されるが、オカケンは言葉とリーダーシップで団体の活動の有り様を変えていこうとする。
 オカケンの大冒険は壁にブチ当たる。オカケンの武器である言葉や理屈も「人は人の言葉を受け入れる基盤が異なると、それが聞こえない」ため、有効打とならない。それでも、徐々に輪は広がったし運営のスタンダードにもなった。
 「何者でもなく誰からも評価されない自分を自分で褒めてあげる」ことにつながる活動の存在に気付いたり、日本の家庭には家政があるのか?ムードや雰囲気で結婚・生活があるだけなんじゃないか。そこを疎かにしたままなんじゃないか、どうなんだゼクシィ?とすら思えることにもオカケンは悩み、行動する。
 全管理職は必読だし、新社会人にとっても「社会」を覗くために読んだ方がいい。私はオカケンの言語化能力に恐れ入った。自治やリーダーなど多くの生き生きとした定義づけを初めて見た。オカケンがリーダー・オペレーター学会をつくるなら私は喜んで会員になる。そうだな、オカケンとは飲まなくちゃならないな。