読書感想文「悩みの多い30歳へ。世界最高の人材たちと働きながら学んだ自分らしく成功する思考法」キム・ウンジュ (著), 藤田 麗子 (翻訳)

 ウンジュは、困難が生じたとき、立ち止まらず飛び込む人だ。短く悩んで、素早く行動した。そうして(止むを得ず)転職を重ねた。そしてグローバル・カンパニーに職を得た。もちろん、ダメだったかもしれないが、挑戦した。それは、準備ができたから挑戦したのではなく、挑戦してから準備を始めることにもなった。
 キャリアを重ねるうちに、ウンジュは気づいた。すべての出会いを大切にする。「どうせ会わなくなる人だから」とおろそかにしないで、さまざまな縁を大切にすることに。そのための一つ目は、「誰かが自分に会いに来るのをただ待」っているのではなく、「自分から人に会いにいく」こと。二つ目は、そうしてできた親しい間柄の人に毎年、あいさつメールを送ることだ。この友人たちとの定期的なメールで「再度のアメリカ行きを調べてみるつもりだ」と意思表明したところ、友人が現所属企業の人事担当へ紹介してくれることになった。定期的なコンタクトなら、僕らもやってるじゃないか。年賀状という名前で。
 だから、実は老舗のようなマメな人づきあいなのだ。彼女が戒めるのは「10歳、若けれりゃなぁ」という現在から過去をみる視点だ。10年後に視点を置いたとき、現時点とは10歳若い自分だ。
 背中を押される人は多いはずだ。彼女が記している「感謝ノート」は私も始めようと思う。彼女が毎年12月に行う履歴書のアップデートや、2年後、5年後、10年後を見据えたチェックは、もうやっていた。
 いまは、インターネット上に決意表明する場はいくらでもある。あとは有言実行するのみだ。


悩みの多い30歳へ。

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