「県民健保」メモ


 過去に学者やマスコミが都度,口にしてきたことはあれど,厚生労働大臣が口にしたのは初めてと思われる「県民健保」についてニュースをクリップしておく。

 舛添要一厚生労働相は30日、75歳以上の後期高齢者医療制度長寿医療制度)の見直しで、市町村の国民健康保険国保)を都道府県単位に再編し、同制度と運営を一体化する考えを表明した。「国保が県民健康保険に変わる」などと述べ、都道府県単位の地域保険に後期高齢者が加入する形にしたいとの意向を示した。麻生太郎首相にもこうした考えを伝えた。


時事ドットコム:後期医療と国保を一体化=都道府県単位の地域保険に−厚労相表明


 「国保が県民健康保険に変わる」−これ重要です。テストに出ます(ウソ)。

 舛添要一厚生労働相が30日、後期高齢者医療制度の見直し私案として掲げた「県民健康保険」構想は、県財政の悪化を嫌う知事らからの反発が避けられない。私案の提案には、同制度への高齢者らの強い反発を背に、都道府県に一本化を受け入れるよう圧力をかける狙いがあるとみられる。ただ、次期衆院選で同制度改善の「具体案がない」と批判されるのを防ぐことを優先した側面もうかがえ、実現するかは不透明だ。【吉田啓志】

 舛添私案は、赤字にあえぐ市町村の国民健康保険都道府県ごとに再編して財政基盤を強化し、都道府県単位の広域連合が運営する後期医療と一体的に都道府県に担当させるというものだ。厚労省が長年温めている案に合致し、与党にも推す声はある。社会保障の運営母体を「年金は国、医療は都道府県、介護は市町村」に集約する構想だ。


後期高齢者医療制度:「県民健保」厚労相私案 知事ら反発必至 - 毎日jp(毎日新聞)


 さあ,大変だよ。市町村で真っ赤っ赤の国保財政を県にうつしたところで,分母が大きくなるだけで収支そのものがどう変わるのか,どう変えるのかが問われるんだけど,踏み込みますか?期待してます。それにしても「『年金は国、医療は都道府県、介護は市町村』に集約する構想」とはね。へー。道州制との整合性はどうなるのかな。
 それにしてもこのタイミングで,

 国から市町村に交付される国民健康保険の財政調整交付金について、全国の市町村の4分の1に当たる437市町村が申請を誤り、計約68億円を過大受給していたことが、会計検査院の調べでわかった。

 交付金算定に使われた基礎データの入力ミスが主な原因で、厚生労働省は検査院の指摘を受け、市町村に過払い分の返還を求める方針。全国の半数以上の市町村国保が赤字に陥る中、返還費の捻出(ねんしゅつ)に苦慮する自治体が続出するとみられる。

 誤りが見つかったのは2002〜06年度の財政調整交付金


国保交付金68億円過払い、全国437市町村に返還請求へ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)


会計検査院さんのツッコミ。このツッコミで都道府県を揺さぶる作戦なのかしらん,と言ってみる。
 ちなみに,民主党はこれに先立って,

 民主党衆院選マニフェスト政権公約)の柱に据える社会保障分野の政策素案が25日、明らかになった。お年寄りの反発が根強い後期高齢者医療制度は廃止し、将来的にすべての医療制度を統合して一元化、地域ごとに保険組織を創設する構想を打ち出した。

(略)

民主党はこれまで制度廃止を訴えてきたが、与党に先行して具体的改革案を提示し「責任政党」をアピールする考えで、月内にマニフェストを取りまとめる。

(略)

 素案によると、後期医療制度の廃止後、高齢者医療費の負担が大きい国民健康保険への財政支援を強化する一方、健康保険組合政府管掌健康保険組合(10月1日から全国健康保険協会管掌健康保険に移行)との財政負担調整も行う。各医療保険制度を順次統合し、将来は一元的な地域保険を創設する。


医療制度一元化し地域保険 民主、衆院選へ公約素案


各健保の統合を打ち出してましたよ,と。
 さて,与党,野党のマニュフェストにちゃんと載せてね。ということでメモ。